待合室・院内サイネージ広告の料金相場と決まり方|費用の内訳と見積もりのコツ

- 待合室・院内サイネージ広告の主な料金体系(月額・期間・施設単位・CPM・変動型)と向き不向き
- 施設数・来院者数・期間・曜日・診療科・需要など、料金を左右する要素
- 放映費以外にかかる動画制作・審査・修正の費用と、総額の考え方
- 見積もりを依頼する前に整理しておきたいチェックリスト
クリニックや病院、調剤薬局の待合室に設置されたモニターで流す広告は、「院内デジタルサイネージ広告」「待合室広告」などと呼ばれます。来院者の属性がある程度はっきりしていて、待ち時間のあいだに繰り返し目に入るため、ヘルスケア商材や地域サービスの広告媒体として検討されることが増えています。
一方で、出稿を検討し始めた担当者が最初につまずきやすいのが「料金がよくわからない」という点です。Web広告のように管理画面で単価が見えるわけではなく、媒体資料を取り寄せないと金額がわからないケースも少なくありません。この記事では、特定の媒体の金額ではなく、医療機関の広告媒体の費用が「どのような構造で決まるのか」を整理します。構造がわかれば、複数の媒体を比べるときにも、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
待合室・院内サイネージ広告の料金がわかりにくい理由
待合室サイネージ広告の料金相場がつかみにくいのには、いくつかの理由があります。まず、料金を公開せず、問い合わせや媒体資料の請求を経て個別に見積もる媒体が多いことです。施設数や期間、配信する素材の条件によって金額が大きく変わるため、一律の価格表を出しにくいという事情もあります。
次に、料金の「単位」が媒体ごとにばらばらであることです。ある媒体は月額、別の媒体は4週間単位、さらに別の媒体はインプレッション(表示回数)あたりの単価で提示します。単位が違うと単純な金額比較ができず、「どちらが割安なのか」が判断しにくくなります。
さらに、放映費以外の費用が別建てになっていることも理由の一つです。動画素材の制作費、尺や解像度を合わせるための編集費、審査で修正が必要になった場合の再制作費などは、放映費の見積もりには含まれていないことがあります。料金を比べるときは、放映費だけでなく「出稿までにかかる総額」で考えることが大切です。
主な料金体系の種類とメリット・デメリット
医療機関の広告媒体で見られる料金体系は、おおむね次の5つに分けられます。一つの媒体が複数の方式を組み合わせている場合もあります。
月額・期間固定型
1か月、4週間、1週間といった期間ごとに固定の金額を支払う方式です。調剤薬局チェーンや、複数施設をまとめて運営する配信網に多く見られます。予算が立てやすく、社内稟議も通しやすいのが利点です。反面、施設ごとの来院者数の違いが価格に反映されにくく、混んでいる施設も空いている施設も同じ扱いになることがあります。
施設単位型
「1施設あたりいくら」という形で、配信する施設数に比例して料金が決まる方式です。配信先を自分で選びやすく、エリアを絞った出稿に向いています。ただし施設の規模や来院者数が考慮されていない場合、同じ金額でも届く人数に差が出る点には注意が必要です。
パッケージ(プラン)型
「首都圏○施設・4週間」のように、施設群と期間をセットにした商品として販売する方式です。手間が少なく、まとまった規模で一度に配信できる一方、配信先を細かく選べないことが多く、自社のターゲットと合わない施設が含まれる可能性があります。
インプレッション(CPM)型
広告が1,000回表示されるごとの単価(CPM)で料金が決まる方式です。Web広告に近い考え方で、表示回数をもとに他の媒体と比較しやすいのが利点です。一方、サイネージの「表示回数」は画面に映った回数であり、実際に何人が見たかとは一致しません。待合室のように同じ人が何度も目にする環境では、表示回数だけでなく、どれだけの人数に届いたかもあわせて確認する必要があります。
変動型(来院者数・需要連動)
施設ごとの来院者数や、日ごと・曜日ごとの広告枠の埋まり具合に応じて料金が変わる方式です。混み合う施設や需要の高い日は高く、そうでない日は低くなるため、届く人数と料金の関係が比較的わかりやすくなります。ただし、出稿時点では金額が確定しないことがあるため、想定額や上限をどう示しているかを確認することが重要です。
| 料金体系 | 決まり方 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 月額・期間固定型 | 期間ごとの固定額 | 予算を固定したい、継続出稿したい | 施設ごとの来院者数の差が反映されにくい |
| 施設単位型 | 施設数×単価 | エリアや施設を自分で選びたい | 施設規模による届く人数の差を確認する |
| パッケージ型 | 施設群と期間のセット | 手間をかけず一度に広く配信したい | ターゲット外の施設が含まれることがある |
| CPM型 | 表示1,000回あたりの単価 | 他媒体と表示単価で比べたい | 表示回数=視聴人数ではない |
| 変動型 | 来院者数・曜日・需要などで日ごとに変動 | 届く人数に応じて払いたい、小さく試したい | 確定前の想定額と上限の示し方を確認する |
どの方式が優れているというより、出稿の目的によって向き不向きがあります。ブランド認知を広く取りたいならパッケージ型や期間固定型、特定エリア・特定の診療科に絞って反応を見たいなら施設単位型や変動型、というように目的から逆算して選ぶと失敗が少なくなります。
料金を左右する6つの要素
料金体系が同じでも、条件によって金額は大きく変わります。見積もりを比べるときは、次の要素がどう扱われているかを確認しましょう。
1. 施設数
配信する施設が多いほど料金は上がります。施設数を増やすと届く人数は増えますが、ターゲットから外れた施設まで含めてしまうと費用対効果が下がります。「何施設か」よりも「どの施設か」を先に考えるのがおすすめです。
2. 来院者数(施設のキャパシティ)
同じ1施設でも、1日の来院者が多い施設と少ない施設では、広告に触れる人数が違います。来院者数を料金に反映している媒体もあれば、反映していない媒体もあります。見積もりでは、施設ごとの想定接触人数がどう算出されているかを確認すると、施設単位の金額の妥当性を判断しやすくなります。
3. 放映期間
期間が長いほど総額は上がりますが、長期契約で単価を下げる媒体もあります。待合室広告は同じ人が繰り返し来院することで記憶に残りやすい媒体なので、極端に短い期間では効果を判断しにくいこともあります。最小期間がどれくらいか、途中で延長・停止できるかもあわせて確認しましょう。
4. 曜日・時期
医療機関は曜日によって混み具合が大きく変わります。休診日がある施設では、その日は放映されません。また、季節によって来院者が増える診療科もあります。曜日や時期を料金に反映する媒体では、出稿時期をずらすだけで金額が変わることがあります。
5. 診療科・施設の種類
小児科、皮膚科、婦人科、整形外科、調剤薬局など、施設の種類によって来院者の属性が異なります。特定の属性に届きやすい施設は需要が集中しやすく、料金にも差が出ることがあります。
6. 枠の需要(埋まり具合)
1台のモニターで流せる広告の数には限りがあります。同じ施設・同じ期間に出稿したい広告主が多ければ枠は埋まりやすく、需要に応じて料金が上がる仕組みの媒体もあります。希望の施設や時期がある場合は、早めに相談しておくと選択肢が広がります。
放映費以外にかかる費用(動画制作・審査・修正)
待合室サイネージ広告の総額は、「放映費」と「素材にかかる費用」の合計で考える必要があります。放映費が安く見えても、素材の準備に想定以上の費用がかかることがあるためです。
動画制作費
既存のテレビCMやWeb広告の動画がある場合でも、そのまま使えるとは限りません。待合室のモニターは音を出さない、または小さな音量で流す前提のことが多く、字幕だけで内容が伝わる構成が求められます。また、媒体ごとに解像度や尺(15秒・30秒など)の指定があります。既存動画を流用する場合も、字幕追加や尺の調整といった編集費がかかる可能性があります。
新規に制作する場合は、静止画とテキストを組み合わせたシンプルな動画から、実写撮影を伴う本格的な動画まで、内容によって費用が大きく変わります。依頼する際は、構成案・ナレーションの有無・素材(写真やロゴ)の用意・修正回数がどこまで含まれているかを確認しましょう。
審査と修正の費用
医療機関で流す広告は、多くの媒体で放映前に審査があります。審査そのものは無料のことが多いものの、表現の修正が必要になった場合の再編集は広告主側の負担になるのが一般的です。特に健康食品や化粧品、医薬品など、薬機法や景品表示法に関わる表現を含む広告は、修正が発生しやすい傾向があります。制作の段階から、審査で指摘されやすい表現を避けておくと、余計な費用と時間を抑えられます。
その他の費用
媒体によっては、初期費用や素材の入稿手数料、レポートの作成費などが別途かかる場合があります。代理店を経由する場合は、手数料が見積もりに含まれているかどうかも確認しておくと安心です。
| 費用項目 | 内容 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 放映費 | 広告を流すための費用 | 料金体系、最小期間、上限の有無 |
| 動画制作費 | 新規制作または既存動画の編集 | 尺・解像度・字幕対応、修正回数 |
| 修正・再編集費 | 審査の指摘に対応する費用 | 審査基準の公開有無、指摘の具体性 |
| 手数料・初期費用 | 入稿・レポート・代理店手数料など | 見積もりに含まれているか |
予算別の始め方:小さく試してから広げる
待合室サイネージ広告を初めて使う場合は、最初から大規模に配信するより、条件を絞って小さく試し、反応を確認してから広げる進め方が向いています。待合室広告はクリック数のような即時の指標がないため、「どの施設で、どの期間流し、何が変わったか」を一つずつ確かめることが重要だからです。
まず試したい段階
ターゲットに最も近い診療科や施設の種類を一つ選び、エリアも絞って短期間配信します。この段階の目的は、効果の大きさを測ることよりも、動画の伝わり方や審査の流れ、実績レポートの内容を確認することです。最小単位で出稿できる媒体を選ぶと、検証にかかる費用を抑えられます。
反応を見て広げる段階
最初の配信で、指名検索の増加や専用クーポンの利用、問い合わせなどの変化が見られたら、施設数やエリアを広げます。放映していないエリアと比べると、変化をとらえやすくなります。効果の確認方法については、別記事「待合室サイネージ広告の効果をどう測るか」で詳しく解説しています。
継続・本格展開の段階
効果が確認できた施設の種類やエリアを中心に、期間を延ばして継続配信します。この段階では、期間固定型やパッケージ型の媒体と組み合わせることも選択肢になります。動画も、初回の反応をもとに改善していくと、同じ予算でも成果が変わってきます。
MACHIAIの料金のしくみ
ここからは、待合室サイネージ広告のマーケットプレイス「MACHIAI(マチアイ)」の料金の考え方を紹介します。MACHIAIでは、クリニック網と他社媒体の2種類の媒体を扱っており、それぞれ料金の決まり方が異なります。
クリニック網:施設ごと・日ごとの変動料金
クリニック網の料金は、施設ごと・日ごとに決まる変動型です。日別の単価は、その施設の来院患者数に接触単価をかけ、曜日・診療科・需要(枠の埋まり具合)の係数を反映して算出します。来院者が多い施設や需要の高い日は高く、そうでない日は低くなるため、届く人数に応じた料金になるよう設計しています。
- 予告料金:出稿の条件を指定すると、想定額と想定レンジがその場で表示されます
- 確定料金:審査後に各施設へ放映を依頼し、放映を許可した施設とそのキャパシティで確定します
- 上限予算:あらかじめ上限を設定でき、確定料金が上限を超えることはありません
- 請求:放映を確認できた分のみを請求します(自社サイネージは再生ログ、提携クリニックは患者数報告と放映証跡動画で確認)
出稿は最短1週間(7日)・1施設から可能です。エリア・診療科・患者の年齢層・女性比率などで配信先を絞り込めるため、前述の「小さく試す」段階に使いやすい設計です。表示価格はすべて税込(消費税10%)で、具体的な金額は各媒体ページで確認できます。
他社媒体:週単位の固定価格
MACHIAIに掲載している他社の待合室メディアは、媒体社が設定した週単位の固定価格(プラン型)です。実績は媒体社の実績レポートで確認します。クリニック網と他社媒体を組み合わせて、変動型と固定型を使い分けることもできます。
動画制作の料金
動画がない場合は、制作もあわせて依頼できます。プランは次の3つです(いずれも税込)。
| プラン | 料金(税込) | 最短納期 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| ライト | 88,000円 | 10営業日 | シンプルな構成の動画 |
| スタンダード | 198,000円 | 15営業日 | 医療広告ガイドラインの事前確認を含む |
| プレミアム | 495,000円 | 25営業日 | 実写撮影を含む |
審査は全件で行い、入稿から約3営業日が目安です。修正が必要な場合は、該当箇所のタイムコードと理由をお伝えします。審査の観点は広告掲載基準のページで公開しているため、制作前に確認しておくと修正の手間を減らせます。
見積もり前のチェックリスト
どの媒体に相談する場合でも、次の項目を事前に整理しておくと、見積もりが早く正確になり、複数の媒体を同じ条件で比べやすくなります。
- 1広告の目的(認知、指名検索の増加、来店・問い合わせ、サンプル請求など)
- 2届けたい人の属性(年齢層、性別、子育て中かどうか、持病や関心ごと)
- 3配信したいエリア(都道府県、市区町村、店舗の商圏など)
- 4配信したい施設の種類・診療科
- 5放映期間と開始希望日、上限予算
- 6動画素材の有無(ある場合は尺・解像度・字幕の有無)
- 7広告する商品の区分(医薬品・医薬部外品・化粧品・健康食品・一般商品・サービス)
- 8効果をどう確認するか(クーポン、専用ページ、指名検索など)
見積もりを受け取ったら、料金体系と単位、最小期間、上限の有無、放映実績の確認方法、放映できなかった場合の扱い、素材にかかる費用が含まれているかを確認しましょう。特に「放映できなかった施設や日の料金はどうなるのか」は、媒体によって扱いが分かれるポイントです。
広告表現の可否は、商品の区分や届出・承認の内容によって変わります。薬機法・景品表示法などに関わる個別の判断は、専門家や関係行政機関にご確認ください。
Q待合室サイネージ広告の料金相場はどれくらいですか?
A料金を公開していない媒体が多く、施設数・期間・来院者数・料金体系によって金額が大きく変わるため、一律の相場は示しにくいのが実情です。複数の媒体を比べる場合は、同じ条件(エリア、施設の種類、期間)で見積もりを依頼し、想定接触人数あたりの金額で比べると判断しやすくなります。
Q1施設・1週間だけの出稿はできますか?
A媒体によって最小単位は異なります。施設群と期間がセットになったパッケージ型では、少数の施設だけを選ぶことが難しい場合があります。MACHIAIのクリニック網は、最短1週間(7日)・1施設から出稿できます。
Q放映費以外にどんな費用がかかりますか?
A主に動画制作費(または既存動画の編集費)と、審査で修正が必要になった場合の再編集費です。媒体によっては初期費用や手数料がかかることもあります。見積もりの段階で、総額に何が含まれているかを確認しましょう。
QCPM(インプレッション単価)で比べれば十分ですか?
ACPMは表示回数あたりの単価なので、他媒体との比較には便利ですが、待合室では同じ人が何度も同じ画面を見るため、表示回数と視聴した人数は一致しません。表示回数に加えて、想定接触人数や施設の属性もあわせて比べることをおすすめします。
Q予算オーバーが心配です。上限を決めることはできますか?
A期間固定型やパッケージ型は出稿前に金額が決まります。変動型の場合は、上限予算を設定できるかどうかを確認しましょう。MACHIAIでは上限予算を設定でき、確定料金がその額を超えることはありません。
Q放映されなかった分の料金はどうなりますか?
A扱いは媒体によって異なります。施設の休診や機器の不具合で放映されなかった場合の扱いを、契約前に確認しておくと安心です。MACHIAIでは、再生ログや患者数報告・放映証跡などで放映を確認できた分のみを請求します。
執筆:MACHIAI(マチアイ) 編集部(運営:株式会社バディアス)。 クリニックの待合室サイネージ「DOCTUS Cast」の提供と、待合室メディアの広告マーケットプレイスの運営を通じて得た知見をもとに解説しています。 掲載内容は公開時点の情報です。法令の解釈・適用は個別の状況によって異なります。


