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医療DOOHとは?待合室サイネージ広告の特徴と日本での活用ポイント

医療DOOHとは?待合室サイネージ広告の特徴と日本での活用ポイント
この記事でわかること
  • DOOHの基本と、医療・ヘルスケア領域のDOOHが持つ特徴
  • 街頭・交通DOOHとの違い(文脈・滞在時間・視聴者属性・審査)
  • 再生ログ・患者数・レポートを使った効果測定と、予約型/プログラマティックの買い方
  • 日本の医療機関で出稿する際の配慮と、テスト出稿の設計方法

デジタル広告の選択肢が増える中で、屋外や施設内のデジタル画面に広告を出す「DOOH」が注目されています。その中でも、クリニックや調剤薬局、病院の待合室などに設置されたサイネージで広告を放映する「医療DOOH(ヘルスケアDOOH)」は、届けたい相手の状況や属性が比較的はっきりしている媒体として、ヘルスケア商材を中心に検討されることが増えてきました。

一方で、医療機関という特別な場所で広告を流すため、一般的な屋外広告とは異なる配慮や審査が求められます。この記事では、広告主・広告代理店の方に向けて、医療DOOHの基本、他のDOOHとの違い、効果測定と買い方の考え方、日本で出稿する際の注意点、そしてテスト出稿の進め方を整理します。

DOOHと医療DOOHの基本

DOOHとは何か

DOOHは「Digital Out of Home」の略で、家の外(Out of Home)にあるデジタル画面を使った広告の総称です。従来の看板やポスターなどの屋外広告(OOH)をデジタル化したもので、駅や車内のビジョン、商業施設や街頭の大型画面、オフィスビルのエレベーター内のモニターなど、さまざまな場所に広がっています。

紙の広告と比べると、DOOHには次のような特徴があります。

  • 複数の広告を時間帯ごとに切り替えて放映できる
  • 曜日や時間帯、季節に合わせてクリエイティブを出し分けられる
  • 掲出の入れ替えに印刷・貼り替えの作業がかからない
  • 放映の記録(再生ログ)をデータとして残せる媒体が多い

DOOHは、テレビやWeb広告と異なり、「その場所にいる人」に向けた広告です。そのため、どの場所の画面に出すかによって、届く相手もメッセージの受け取られ方も大きく変わります。医療DOOHは、この「場所」の特性がとりわけはっきりした領域だといえます。

医療DOOH(ヘルスケアDOOH)とは

医療DOOHは、クリニック・病院・調剤薬局・歯科医院などの医療関連施設に設置されたデジタルサイネージで放映する広告を指します。中でも中心となるのが、診察や処方を待つ間に目にする待合室のモニターです。ヘルスケアDOOHと呼ばれることもあり、ドラッグストアや健診施設などを含めて広くとらえる場合もあります。

待合室にいる人は、自分や家族の健康について考えているタイミングにあります。また、小児科なら子ども連れの保護者、婦人科や乳腺科なら女性、整形外科ならシニア層というように、施設の種類や診療科によって来院者の傾向が分かれます。こうした「健康への関心が高まっている状況」と「属性の傾向が読みやすい環境」が、医療DOOHの大きな特徴です。

街頭・交通DOOHとの違い

同じDOOHでも、駅や街頭の画面と待合室の画面では、広告が届く状況がまったく異なります。主な違いを整理すると次のとおりです。

観点街頭・交通DOOH医療DOOH(待合室)
視聴の文脈移動中・通過中に目にする。目的は移動や買い物診察や処方を待つ間に目にする。健康について考えている状態
滞在時間数秒〜数十秒の通過が中心施設によって数分〜数十分の待ち時間がある
視聴者の属性不特定多数。場所や時間帯で傾向はあるが幅が広い施設の種類・診療科・エリアによって傾向が読みやすい
視聴の繰り返し同じ人が何度も見るとは限らない待ち時間中に同じ画面を繰り返し目にしやすい
音声環境音が大きく、無音での放映が中心静かな環境だが、呼び出しなどに配慮して無音前提の施設が多い
審査・表現媒体ごとの考査基準による医療機関での放映に配慮した、より慎重な審査が求められる
規模一つの画面で多くの人に届く一施設あたりの人数は限られ、施設数を積み上げて届ける

文脈:健康を意識している時間に届く

待合室の来院者は、体調や治療、日々の健康管理について考えている状態にあります。ヘルスケア商材にとっては関心を持ってもらいやすい環境である一方、不安を抱えている人も多いため、恐怖や不安をあおる表現は逆効果になりかねません。「安心して見られる情報」として受け取られる表現づくりが重要です。

滞在時間:繰り返し目に入る

通過型のDOOHでは、数秒で伝わる強いビジュアルが求められます。待合室では一定の待ち時間があるため、15秒〜60秒の尺で商品の特徴や使い方を説明する構成も検討できます。同じ広告を待ち時間中に複数回目にすることもあり、商品名やブランドを覚えてもらいやすい環境です。

属性:施設と診療科で絞り込める

エリアと施設の種類、診療科を組み合わせることで、届けたい層に近い場所を選んで配信できます。たとえば、ベビー用品なら小児科、スキンケアなら皮膚科、シニア向けサービスなら整形外科や調剤薬局、というように、商材と施設の相性から配信先を設計できるのは医療DOOHならではの強みです。

規模:施設を積み上げて届ける

駅の大型ビジョンのように一つの画面で多くの人に届く媒体ではないため、医療DOOHでは複数の施設に配信して到達を積み上げる考え方になります。広く認知を取る目的なら施設数を増やし、特定の層に深く届けたい場合は施設を絞り込む、というように、目的に合わせて配信設計を変えます。

医療DOOHの効果測定の考え方

DOOHの効果測定では、まず「広告が予定どおり放映されたか」を確認し、そのうえで「どれだけの人が目にしうる状況だったか」「その後の行動に変化があったか」を見ていくのが基本です。医療DOOHでは、施設の形態によって放映実績の確認方法が異なります。

確認方法内容分かること
再生ログサイネージ端末が記録する、広告ごとの放映日時・回数予定どおりに放映されたか
来院患者数の報告施設が報告する、期間中の来院者数広告を目にしうる人数の目安
放映証跡実際に待合室で広告が流れている様子を記録した動画など現地で放映されていたことの確認
実績レポート媒体社が提出する、放映回数や期間などのまとめ配信網全体での放映実績

放映実績を確認したうえで、広告の効果を測るには、キャンペーンの前後で指標を比べる方法がよく使われます。たとえば、配信エリアでの指名検索数の変化、専用のQRコードやクーポンコードの利用数、店頭やECでの販売数の変化、配信エリアと非配信エリアの比較などです。待合室は静かに過ごす場所のため、その場で行動を促すより、後で思い出してもらうことを前提に指標を設計すると現実的です。

効果測定の具体的な方法や指標の選び方については、「待合室サイネージ広告の効果をどう測るか」の記事で詳しく解説しています。

買い方の違い|予約型とプログラマティック

DOOHの買い方は、大きく「予約型」と「プログラマティック(運用型)」に分けられます。どちらが優れているというものではなく、目的やキャンペーンの規模によって使い分けます。

予約型(純広告型)

媒体社と事前に、配信する施設・期間・枠などを決めて購入する方法です。料金は施設数と期間で決まる固定のプランや、施設ごとの来院者数などに応じた料金体系が一般的です。配信先や放映期間が事前に確定するため、計画を立てやすく、特定のエリアや施設に確実に届けたいキャンペーンに向いています。

プログラマティック(運用型)

広告取引のシステムを通じて、条件に合う広告枠を自動的に買い付ける方法です。Web広告と同様に、インプレッション(表示回数)ベースの料金体系が使われることが多く、配信の条件や予算を柔軟に調整できます。他のデジタル広告と同じ管理画面で予算を配分できる点も利点です。一方で、医療DOOHでは一枠あたりの視聴者数が限られることや、医療機関での放映に適した審査が必要なことから、すべての媒体がプログラマティックに対応しているわけではありません。

観点予約型プログラマティック
配信先の確定事前に施設・期間が決まる条件に合う枠が自動で選ばれる
料金の考え方固定プラン、または施設ごとの料金インプレッションなどの単位が中心
柔軟性期間中の変更は限られる予算や条件を調整しやすい
審査媒体社が事前に審査する取引の仕組みに加え、媒体側の審査が必要な場合がある
向いている目的特定エリア・施設に確実に届けたい複数媒体をまとめて運用したい

医療DOOHでは、料金を公開していない媒体も多く、月額制・期間制・インプレッション型など、媒体ごとに料金体系が異なります。比較の際は、料金の単位をそろえたうえで、放映実績の確認方法や審査の観点も含めて検討するのがおすすめです。

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日本の医療機関で出稿する際のポイント

日本で医療DOOHに出稿する場合、法令と医療機関の環境の両面で、一般の広告以上の配慮が求められます。

法令への配慮

  • 薬機法:医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器等の虚偽・誇大広告は禁止されています(第66条)。承認前の医薬品等の広告も禁止です(第68条)。化粧品は認められた効能効果の範囲内で表現します
  • 健康食品:疾病の治療・予防効果をうたうと、医薬品的とみなされるおそれがあります。特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品はそれぞれの許可・届出・基準の範囲で表示します
  • 景品表示法:品質を実際より良く見せる優良誤認、価格や条件を有利に見せる有利誤認は禁止されています。No.1表示には根拠が必要です。2023年10月からはステルスマーケティング規制により、広告であることを分かるようにする必要があります
  • 医療法の広告規制:他の医療機関の広告を出す場合は、医療広告ガイドラインの対象になります

医療機関という場所への配慮

医療広告ガイドラインは一般商品の広告には直接適用されませんが、医療機関内で放映する以上、患者さんへの配慮が欠かせません。次のような点が審査で確認されることが一般的です。

  • 不安や恐怖をあおる表現になっていないか
  • 点滅や急激な明滅など、体調に影響しうる映像が含まれていないか
  • 音を出さない環境でも、字幕などで内容が伝わるか
  • 医療機関や医師が商品を推奨しているかのような誤解を与えないか
  • 特定の医療機関への受診を誘導する内容になっていないか

施設ごとの放映判断

医療機関によっては、媒体社の審査を通った広告であっても、施設の方針に合わないものは放映を辞退できる仕組みになっていることがあります。広告主としては、審査の通過だけでなく、施設側が「流したい」と思える内容かどうかも意識すると、配信先を確保しやすくなります。

この記事は一般的な考え方をまとめたものです。個別の表現の可否は、商品の区分や承認・届出の内容によって変わります。判断に迷う場合は、専門家や関係行政機関にご確認ください。

テスト出稿の設計方法

医療DOOHを初めて使う場合は、いきなり大規模に配信するより、条件を絞った小さなテストから始めて、反応を見ながら広げていく進め方がおすすめです。テストを設計する際は、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 1目的を決める:認知の向上、指名検索の増加、店頭・ECでの購入、資料請求など、何を確かめたいかを一つに絞る
  2. 2配信先を決める:商材と相性のよい診療科・施設の種類と、店舗や販売網のあるエリアを組み合わせる
  3. 3期間を決める:短すぎると変化が読み取りにくいため、比較できる期間を確保する。季節性のある商材は時期も考慮する
  4. 4クリエイティブを用意する:無音でも字幕で伝わり、医療機関の環境に配慮した内容にする。審査の期間も見込んでおく
  5. 5測定方法を決める:専用QRコード、キャンペーンコード、指名検索、配信エリアと非配信エリアの比較など、事前に計測の仕組みを用意する
  6. 6結果を見て広げる:反応のよかった診療科やエリアを中心に、施設数や期間を広げていく

テストの段階では、「どの診療科・エリアで反応があったか」を比べられるように、配信条件を複数に分けておくと、次の展開の判断材料になります。クリエイティブも、尺やメッセージを変えた複数のパターンを用意しておくと、学びが得やすくなります。

MACHIAIで医療DOOHを始める

MACHIAI(マチアイ)は、医療機関などの待合室サイネージ広告のマーケットプレイスです。エリア・診療科・患者さんの年齢層・女性比率などで配信先を絞り込み、最短1週間(7日)・1施設から出稿できるため、テスト出稿にも使いやすい設計です。

  • クリニック網の料金は、施設ごと・日ごとの変動料金です。出稿時に予告料金(想定額と想定レンジ)を表示し、放映を許可した施設とそのキャパシティで確定料金が決まります
  • 上限予算を設定でき、確定料金が上限を超えることはありません
  • 放映を確認できた分のみ請求します(自社サイネージは再生ログ、提携クリニックは患者数報告と放映証跡動画、他社媒体は実績レポート)
  • 他社の待合室メディアは、媒体社が設定した週単位の固定価格(プラン型)で出稿できます
  • 広告は全件審査(入稿から約3営業日)。修正が必要な場合はタイムコードと理由を添えてお伝えします

現在の配信網は京都府内のクリニック2施設(自社サイネージ)で、今後、提携クリニックや他社媒体を拡大していく予定です。具体的な料金は各媒体ページでご確認いただけます。動画をお持ちでない場合は、医療機関での放映を前提とした動画制作のご依頼も可能です。

よくある質問

Q医療DOOHとデジタルサイネージ広告は同じものですか?

Aデジタルサイネージ広告は、デジタル画面を使った広告全般を指す言葉で、DOOHとほぼ同じ意味で使われます。医療DOOHは、その中でもクリニック・病院・調剤薬局などの医療関連施設に設置された画面で放映する広告を指します。

Qどのような商材が医療DOOHに向いていますか?

A健康食品・機能性表示食品やOTC医薬品などのヘルスケア商材のほか、ベビー・キッズ用品、スキンケア、医療保険や介護サービス、地域の店舗やサービスなど、施設の来院者の属性と相性のよい商材が検討されることが多いです。ただし、表現は法令と医療機関の環境に配慮した審査を通る必要があります。

Q音声は使えますか?

A待合室は呼び出しの声などに配慮が必要な環境のため、無音での放映を前提とする施設が多くあります。MACHIAIでは、無音でも字幕で内容が伝わることを技術仕様として審査しています。

Q視聴者数はどのように把握しますか?

A医療DOOHでは、施設の来院患者数を、広告を目にしうる人数の目安として使うのが一般的です。あわせて再生ログや実績レポートで放映回数・期間を確認します。詳しくは効果測定の記事をご覧ください。

Q既存のテレビCMやWeb広告の動画を使えますか?

A解像度や尺などの技術仕様に合い、無音でも字幕で伝わり、医療機関の環境に配慮した表現であれば使える場合があります。音声に頼った構成の動画は、字幕を加えるなどの調整が必要になることが多いです。

Q審査で修正を求められた場合はどうなりますか?

AMACHIAIでは、修正が必要な箇所をタイムコードと理由を添えてお伝えします。修正版を再入稿いただき、改めて審査を行います。審査の観点は広告掲載基準のページで公開しています。

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この記事について

執筆:MACHIAI(マチアイ) 編集部(運営:株式会社バディアス)。 クリニックの待合室サイネージ「DOCTUS Cast」の提供と、待合室メディアの広告マーケットプレイスの運営を通じて得た知見をもとに解説しています。 掲載内容は公開時点の情報です。法令の解釈・適用は個別の状況によって異なります。

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